2015年9月12日土曜日

大阪・西天満の激辛カレー 辛口飯屋・森元

小型スクーター、アドレスV125で大阪市内を探索。高校の同級生がSNSでアップしていた辛口飯屋・森元(もりげん)に行きました。

実はここに到着するまで若干の遠回りをしてしましまったのです。日本橋(にっぽんばし)を貫く堺筋を北上すれば簡単に到着できるのですが、あみだ池筋から千日前通を東へ、湊町南から四つ橋筋を北上して(これも強制的に左折レーンに入ってしまったため曲がらざるを得なかった)中央大通の高架道を走ったら、谷町筋まで突き抜けてしまったのです。大阪市内の道を把握するのにまだまだですね。スクーターは路上に停めてみます。駐車違反を取られるかもしれませんね。


平日はオフィス街としての顔をみせるでしょうが、土曜日なので通行人はほとんどいません。たまに見かけると、このお店に引き込まれていかれる方のようです。ビルの1階はイタリア料理店が構えていて、目的のカレーやさんは横の入り口から奥に入るようです。

すべてカウンター席で、座席数は8か9です。


今日のメニューは3つ。ビーフカレー、チキンカレー、あいがけカレー。どれも800円で、なんとルーのお代わりは無料です。ライスの大盛りは100円プラス。入店したときには満席に近い状態で、お客さんの対応でママは大忙しです。

あいがけを注文しようとしたら、ちょっと待ってくださいと(標準語で)言われ、しばらくして「あいがけでしたよね。大盛りでよろしかったかしら?」と返されたので、思わず「はい」と返事してしまったのでした。


向かって右がチキンカレー、左がビーフカレー、その二つが「合わさってかけてある」ので「あいがけ」という名前になるわけです。ママさんは「今日はチキンがほぐれちゃっているけど、いいですか?」と訊かれたので、もちろん断る理由はありません。骨つきチキンはひとつ入っていました。

一口、チキンカレーからいただきます。すると、辛いことは辛いのですが、美味しい辛さです。わさびとかタバスコとか、そういうシンプルな辛さじゃないんですね。おそらく何種類かの激辛スパイスがミックスしている辛さです。もちろん、カレーの味という基本路線はしっかり押さえています。


ライス大盛りを注文してしまったため、ライスが残ることになりました。ルーのお代わりは無料ですから、ここでビーフカレーを注文します。ところが、ここからがまさに地獄でした。私はカレーは大好きで、辛口のカレーでも大概がOKなのです。ところが、このカレーは体が全身を痛めつけるかのようです。

まず、汗が顔全体から滴り落ちてきました。口の中は味覚というより確実に痛覚の領域です。辛さが暴力となって襲ってくるのです。途中まで、ママさんがお水を出し忘れていたので、水なしでチャレンジしていたのですが、いったんコップが配膳されると、セルフの水を注ぎまくって水で痛さを緩和し続けることになりました。

そこでメニューを見ると生卵があるじゃありませんか。自宅で食べるカレーライスには最近、生卵をかけることもあるので、なんとか辛さを緩和するべく、最後の段階で生卵ひとつ50円を注文しました。私は黄身も白身もすべてかけるつもりでいたのですが、「黄身だけかけるかたもいらっしゃるのですが、全がけしたほうが、うちのカレーは美味しくなります」とのママさんのアドバイスもあり、そのまま全がけしてみました。

するとどうでしょう。口の中から胃袋までを攻撃する辛さがウソのように消えていきます。コクをしっかり感じられるやさしい食べ物に早変わりです。まさに生卵マジックですね。次回からは、最初から生卵をスタンバイして食べようと思います。


ピンボケになってしまいましたが、店の玄関はこんな感じです。小さなオフィスビルの一角にある、穴場のレストランといった外観をしています。こちらの店舗は9月19日までの営業で、10月1日からは1ブロック北に移転するとのことです。入っていたお客さんも多くは顔なじみのようで、移転についてあれこれママさんと会話していました。

隣の男性二人組は、ひとりがもうひとりを連れてきたカタチのようで、連れてこられたほうは辛さに驚いていたようです。常連さん意外と思しき客は皆、スマホでカレーを撮影していたのが印象的でした。

先ほどまでバイク試乗のストレスでやられていた胃袋が、こんどは激辛カレーの爆弾でやられているといった体で店を後にしました。そこで目にしたものは「警告・駐車違反。この場所に停めると駐車違反となります、大至急移動してください」というステッカーがミラーに巻かれたスクーターの姿っです。店内にいた時間は40分ほど。土曜に小型スクーター相手に駐車違反を指導するあたり、ごくろんさんと言いたくなりましたが、食事の爆弾はいつか再チャレンジを誓う希望に溢れたものでしたが、ちょっぴり後味の悪い森元訪問でもありました。

しばらくカレーライスは要りません(笑) それでもそれほど遠くない日に再び訪れることになるでしょう。記憶に残る素晴らしいカレーライスですから。

スズキGSX-S1000Fに試乗しました

朝から小型スクーター、アドレスV125で大阪府内のバイクショップめぐり。ハヤブサに跨りたいと立ち寄った、羽曳野市にあるファーストオート大阪本店で、見つけてしまいました。いまもっとも旬なバイク、スズキGSX-S1000Fです。車名のSとFの位置をよく覚えていなかったので、店員さんには「あそこにある、GSXなんとかに跨りたいんですけど」と言ってしまいましたが、GSX-S1000F、です。


赤と黒のツートンカラーは、みなぎるエネルギーをシンボライズしています。他に青単色も用意されていますが、インパクトは赤黒に軍配が上がると思います。しかし逆に青単色は落ち着いていますね。私も昔、青いバイクに乗っていましたから、大人の青だと思います。


真正面から見たデザインは、これがスポーツバイクとわからないかもしれません。250ccのスズキの新型スクーターですよと言われれば、信じてしまうかもしれません。それは、ヘッドライトの位置がだいぶ下にあるからで、すぐ下にはフロントフェンダーが構えています。

このスタイルは「低く構える狩をする野獣」をイメージしてデザインされたとか。しかし私は、ネコ科の大型動物というより、ウォンバットのようなコケティッシュな哺乳類を想起してしまいます。最初は違和感を感じましたが、少し見ていると慣れますね。これは独特のイメージを振りまいていて、とてもいい感じがします。

カウルのないネイキッド版のGSX-S1000もよいと思いますが(すぐ下の写真)、長距離ツーリングを念頭に置くと、やはりカウル付きが現実的な選択になると考えました。




試乗する予定は当初はなかったのですが、せっかくの機会ということで、思い切って試乗することにしました。大型バイクの試乗はいつもながら緊張します。この後のインプレで書きますが、きわめて乗りやすいバイクですから、試乗途中の余計な緊張は必要ないのですが、試乗し終わると急に胃が痛くなり、そのあと1時間以上続きました。これは私がただストレスに弱いからなのでしょうね。



結論から申し上げますと、これまで試乗やレンタルで乗ったオートバイの中で、もっとも乗りやすいといえます。装備重量が215kgというのは、リッタークラスとしてはスーパースポーツ同様の軽さですし、クラッチやシフトペダルなどの操作系も全てが軽いのです。軽さはこのバイクのキーワードです。

そして足つき性のよさは特筆に価します。この手のスポーツバイクはしばしばシート高があり、足つき性が悪いことが多いのですが、165cmの身長で、両足のかかとは無理にしても、土踏まず付近までしっかり両足が設置します。ちょっと傾けますと、片方のかかとまでべったり設置します。ハーレーでつくづく思ったのですが、足つき性のよさは絶対的な安心感につながるんですね。アメリカンでないものの、良好な足つき性は精神的なハードルを下げてくれ、乗り出すまでの不安が払拭されます。



さて、走行のインプレッションに移ります。最初の交差点はビビリながら半クラッチで曲がってしまいましたが、そんな必要は一切なく、前後タイヤの接地感が非常に高いのです。 スポーツバイクにもかかわらず、アメリカン的な重心の低さを感じます。これは先ほど申し上げた「マスの集中」に関係していると思いました。

ミッションは6速ですが、私はクセでポンポンとこまめなシフトアップをするのですが、あっという間に6速までアップしてしまいました。シフトポジション・インジケータがメーターにあるので、いま何速に入れているのかがわかります。ニュートラルはNの文字と緑のインジケーターの両者でわかります。このポジション・インジケータは便利ですね。これからのオートバイには必須装備ではないでしょうか。

加速は重力を感じるような暴力的なものではなく、軽い「何か」がスーッと背中を押すような印象を受けます。指数関数的な加速ではなく、1次的なリニアなものです。新幹線があっという間に200km/hを超えていた、という感じと同じように例えられるかもしれません。いい感じです。

試乗コースにはワインディング・ロードはなく、市街地と幹線道路でしたので、コーナリング性能を知るチャンスはありませんでしたが、車体を傾けることによる不安感はほとんどありません。

サスペンションは一般向けなのか、とても柔らかいです。手ごたえがないというか、路面からの突き上げもほとんどなく、優しい乗車感という印象を持ちました。


ノーマルの状態で、排気音から感じるグッと来るものがあります。後付のマフラーから吐き出されるような野太いサウンドです。心を揺さぶる音に分類されるかもしれません。この音が嫌いというライダーはいないかもしれませんが、XJR1300、FZ1フェザーと乗り継いでいる私としては、これらヤマハの4気筒が吐き出すジェントルなサウンドのほうが好きなのです。

また、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)が標準搭載されているというのはポイントが高いです。任意保険もABS付きですと若干、保険料が安くなります。ABSが装備されているという精神的なゆとりもありますから、濡れた路面での安心感も違いますね。


曲線を多用したデザインは秀逸ですが、ちょっと残念なところをあえて指摘しますと、乗車位置から目に飛び込んでくるものが、どこかプラスチッキーなのです。小ぶりのスクリーンとその周囲、見やすいメーター。これらがちょっとオモチャ的な印象を与えているのです。ハヤブサあたりの高級感と比べると、見劣りしてしまいます。

また、ツーリングを念頭に置くと、積載性の少なさがネックになるでしょう。タンクバッグやウェストバッグを活用して、荷物をコンパクトにまとめてスタイリッシュにツーリングを楽しめればよいのですが、数日にわたるツーリング、ましてキャンプツーリングになりますと、厳しいでしょう。


しかし、バックライトが白というメーターは、ぜひ夜を体験したかったです。試乗は明るいうちにしかできないとのことでしたが、そのうちレンタルバイクで登場してくれたらいいですね。

乗り出し諸費用が110万円前後といいますから、これはお買い得以外の何者でもないでしょう。最初から必要な装備としてETCがありますが、ショップによってはETCサービスということで出しているところもあるようです。こちらファーストオートは関西に数店舗を構える大型バイクショップのようですが、GSX-S1000Fは現時点ですべてSOLD OUTとのことでした。このモデルは大成功を収めたと思います。見に来てたお客さんはどう見ても50台半ば以上の方々。クルマもそうですが、バイクに興味のある若者が実に少なくなったと思います。

スズキはレーシングマシンのDNAをもつGSX-R1000で実現できた、持てる最新の技術をすべて生かして作った日常での使用も可能にしたスポーツバイクです。こんな軽い大型バイクと生活するということは、ドラえもんのどこでもドアよろしく、どこにでも連れて行ってくれる最強のパートナーとなるに違いありません。


※ 一部の写真は公式サイトから拝借