ひと月前、八尾市にあるヤマは・オートバイの専門店、YSP大阪東で、ヤマハのニューモデル、MT-09に試乗した。弟分ともいえるMT-07の試乗については、すでに紹介したが、一つ前にMT-07の秀逸さを実感しており、よりワイルドだと評判のMT-09がMT-07とどう違うのか、単なるパワーだけなのか、後述するモード切替えによる走りの違いは実感できるか、2気筒エンジンのMT-07と3気筒エンジンのMT-09ではエンジンフィールに違いがあるのか等、興味津々である。
YSP大阪東には試乗を目的に行ったわけではなく、中古バイクでそのとき興味があったスズキ・バンバン200の在庫があるようなので、行っただけである。
すると気さくなスタッフが、ヤマハ・ニューモデル3車種(トリシティ、MT-07、MT-09)の試乗を勧めてきた。四輪車の試乗と異なり、誰かが同乗して運転のアドバイスをしてくれるわけでもなく、車種ごとにシート高も車重も異なるオートバイの試乗というのは常に不安だらけだ。
その不安を倍増させるような事件?が試乗の直前にあった。この店でMT-09を買ったばかりのお客さん、おそらく50歳前後の男性が、店のスタッフから「ものすごいパワーですから、アクセルを開けるときは慎重にお願いします」と、私の目の前で重ねて言われていたのだが、わかってますよー、とばかりに発車したら、ブオン!!と後輪がスライドしているではないか。試乗前からかなりのプレッシャーになった。
このMT-09には特筆すべき機能があるが、それは3種類の走行モードが選べることだ。現代のエンジンは燃料噴射装置に代表されるように電子化がすすみ、そのひとつがこの機能である。右手のスイッチで切り替えられるもので、真ん中がSTD、過激なAモード、そしておとなしいBモードである。Bモードでは最高出力も低く設定されているようで、発進もマイルドで、店のスタッフはMT-09に乗っているといいながらも、Bモード以外は使っていない、と断言していた。
そういうわけで、このバイクの試乗前からアドレナリンがみなぎってしまうのである。さらに、このスタッフからは脅された。とにかくSTDモードでも過激だという。Aモードは前後にクルマがいないときにお試しください、とも。これには相当ビビった。
しかし、いざまたがってみると、足つき性を含めてさきほどまでのMT-07とほとんど変わらないポジションがまた秀逸だ。オフロードバイクには及ばないが、高性能オンロードバイクでこれだけの軽さを感じるのは他にない。実際の車重もMT-07とほとんど違わないのではと思うほど。メーターがMT-07と異なり、右側にオフセットされているが、これはメーターが前席のちょうど真ん中に位置するクルマに最初に感じた違和感と似ているのではないか。
(上の写真:左にオレンジ色のMT-09、右にガンメタリックのMT-07)
エンジンをかけ、まずはおとなしいBモードで走り出す。それでもさすがに排気量分以上にトルク感が違う。MT-07と違い、ずぼらなクラッチミートをしても背中を押されるように走り出せる。そして右手にゆっくりと力をこめてスロットルを回すと、手の動きとリニアに速度が増していくのが解かる。非常に素直だが、あえて感覚的にいえば、レシプロエンジンというよりロータリーエンジンのような回転感というか、フリクションにロスがない、ということか、うまく表現できないが、簡単に言ってしまえばエンジンではなく電動モーターに近い感覚なのだ。
近畿自動車道と平行に走る大阪外環道という幹線道路に出るまで、ここは我慢のBモードでやり過ごす。この幹線道にでると、STDモードにシフト。Bモードでも決して抑圧された印象はなかったのだが、STDでパワーの伸びがぐっと増す。
そしてAモード。これはヤバい。過激すぎる! いくら命があっても足りない。。。というのは言い過ぎかもしれないが、自制心をこれほど必要とする瞬間はないだろう。なにせ本当に命がかかっているのだから。これらSTDとAモードによって、MT-09は本来の性能を発揮する。ポジションが「前傾のあるオフロード」という感じで、周囲に対する眺めがよい。それは安全にもつながるのだが、その状況での「過激」だ。
前後のサスペンションは極めてよく働いてくれているようで、加速時のフロントの浮き上がり、制動(ブレーキ)時のフロントの沈み込みを、しなやかに吸収してくれているのだ。ブレーキの利きもまったく不満がない。これは以前に乗っていたXJR1300での「まぁ止まればいい」というものではなく、確実に停止することをバイクに約束させられている、ぐらいの違いがあるといえるだろう。
一般道なので高速域を試すことはできなかったが、あらゆる速度域において、MT-07でも感じていた「人機一体感」がある。タイヤが手や足のように、ライダーの脳とシンクロしている感覚だ。MT-07では欲を出してロングツーリングにも、などと考えたのだが、MT-09では風と格闘するバイザーも不要で、ただ走ることそのものを楽しむ道具だと感じた次第である。
ガソリンは、こちらMT-09がハイオク指定、MT-07がレギュラーでOKというのも、両者のキャラクターをあらわしているのだと思う。
2014年11月4日火曜日
江坂の東急ハンズ地下にある大戸屋にいきました
昨日、吹田市江坂にある東急イン・東急ハンズの地価にあるレストラン街。そこにある大戸屋という定食やさんで食事しました。なにやら有名な店のようです。
よくみると、使っているしょうゆはヤマサしょうゆでして、わがふるさと銚子に本社のある企業です。
豚ロースかつ定食ですが、ちょっと肉が薄め。まぁ値段が800円台ですから、仕方がありませんね。
私が注文した、鶏かつセットにはそばが付いてきます。意外とヘルシーかもしれません。
よくみると、使っているしょうゆはヤマサしょうゆでして、わがふるさと銚子に本社のある企業です。
豚ロースかつ定食ですが、ちょっと肉が薄め。まぁ値段が800円台ですから、仕方がありませんね。
私が注文した、鶏かつセットにはそばが付いてきます。意外とヘルシーかもしれません。
ヤマハのニューモデル MT-07 試乗記
乗ってみるまではわからない、とは、まさにこのオートバイにぴったりの台詞である。YSP大阪東のスタッフによると、嘘か誠か、試乗した人の半分ぐらいが購入にいたっているというのだ。私もFZ1フェザーを買わなければ、こいつを買っていた可能性は95%以上と思われる。
まず、これまで運転したどのオートバイよりも人機一体感がある。これは何もヤマハの宣伝文句の受け売りではない。700cc2気筒エンジンを搭載し、800mmを超えるシート高であるが、スリムな車体もあり、足つき性は非常に良好だ。軽いため、立ちゴケする不安感はほとんどない。
事実、このバイクの重量は400cc単気筒のSR400と同等で、同じヤマハの400cc4気筒マシン、XJR400より20kgも軽いという。この、400ccクラスより軽いという事実が、このバイクの運動性能の高さを物語っている。
ライディングポジションは、XJR1300のような古典的ネイキッドと比較すれば、明らかに前傾が強いもの、また、ステップ位置は高く、マスの集中化に貢献している。この絶妙なポジションが、マンマシン一体感を強くしている要因である。前傾は古典的ネイキッドより強いものの、上半身の体重がハンドルに必要以上に加わるものではなく、上半身の自由度は高い。
リッターバイクに慣れた身からすれば、トルクの細さが気になるところ。発進時のクラッチミートは若干、慎重にならざるを得ない。しかし走りだしての低速トルクは必要十分であり、これも直ちに慣れることができる。ちなみにエンジン始動ボタンだが、右手の赤いスイッチを上にスライドするものであり、キルスイッチと兼用になっている。これはユニークだ。
走り出すと、まず気が付くのが「軽さ」である。上述したように400ccクラスより軽量であることももちろんだが、2気筒エンジンのスリムさや、軽量なデジタルメーター採用でステアリング周りの軽さもあいまって、あらゆるところに「軽さ」を感じるのである。それは交差点を右左折するときも、「よっこらしょ」という入力を必要としない。意識せずともセルフステアで舵を切ってゆく感じを実感できるのである。
加速については4気筒とは違うトラクションを感じる。すなわち、後輪で大地を力強く蹴って加速するという感じが強い。先ほどの軽さと表裏一体のようなもので、高速のクルージングに移行するときには地に足の着いたような、逆に重量感を増すのである。
メーターはフルデジタルであり、ちょっと慣れが必要だろう。ただ、ユニークな装備にECOインジケーターがある。各ギアで適正なスピードに入ったとき、ECOという文字が浮かび上がる。常に表示されるように走れば、おそらく燃費も良好であろう。
その秀逸な素性とは裏腹に、ニュートラルから1速に踏み込むときの「ガシャン」というショックは、ちょっとデリカシーにかける。「男カワサキ」ではないので、このあたりはヤマハならではの優雅さをかもし出して欲しかった。
近畿道に並行する幹線道路では、水を得た魚のようなハッスル振りを遺憾なく発揮できる。ブレーキ性能も上々で、一切の不安なく信号で停止できる。さすがにABSを評価するシチュエーションにはいたらなかった。
ヘッドライトはカワサキZシリーズにみられるように、今流行の、従来のモデルに比べて低い位置に取り付けられ、メーターのその先に何もないように見える。ライトの上には後付のバイザーやミニカウルを取り付けるためかネジがむき出しになっており、風と戦うためにはぜひともバイザーをつけて走りたい。
私の乗るFZ1フェザーのような排気量1000ccクラス(リッターバイク)との差を実感するには短い試乗であったが、それでも400ccとリッターバイクの中間的な性能を感じることができた。63馬力という出力は、万人向けの扱いやすさが最大の特徴で、日常で使い切ることができる性能だろう。その点で、MT-07のライバルはホンダNCシリーズだ。しかし、NCシリーズが四輪自動車フィットのエンジンを半分にぶった切ったエンジンをベースにしているのに対し、エンジンそのものから新設計のMT-07は、生まれ方が違う。これがヤマハ流の回答だ。
正直、コイツがセカンドバイクであったらと想像するとワクワクする。そんなことは、あまり考えないでおきたい(笑)
ライディングポジションは、XJR1300のような古典的ネイキッドと比較すれば、明らかに前傾が強いもの、また、ステップ位置は高く、マスの集中化に貢献している。この絶妙なポジションが、マンマシン一体感を強くしている要因である。前傾は古典的ネイキッドより強いものの、上半身の体重がハンドルに必要以上に加わるものではなく、上半身の自由度は高い。
リッターバイクに慣れた身からすれば、トルクの細さが気になるところ。発進時のクラッチミートは若干、慎重にならざるを得ない。しかし走りだしての低速トルクは必要十分であり、これも直ちに慣れることができる。ちなみにエンジン始動ボタンだが、右手の赤いスイッチを上にスライドするものであり、キルスイッチと兼用になっている。これはユニークだ。
走り出すと、まず気が付くのが「軽さ」である。上述したように400ccクラスより軽量であることももちろんだが、2気筒エンジンのスリムさや、軽量なデジタルメーター採用でステアリング周りの軽さもあいまって、あらゆるところに「軽さ」を感じるのである。それは交差点を右左折するときも、「よっこらしょ」という入力を必要としない。意識せずともセルフステアで舵を切ってゆく感じを実感できるのである。
加速については4気筒とは違うトラクションを感じる。すなわち、後輪で大地を力強く蹴って加速するという感じが強い。先ほどの軽さと表裏一体のようなもので、高速のクルージングに移行するときには地に足の着いたような、逆に重量感を増すのである。
メーターはフルデジタルであり、ちょっと慣れが必要だろう。ただ、ユニークな装備にECOインジケーターがある。各ギアで適正なスピードに入ったとき、ECOという文字が浮かび上がる。常に表示されるように走れば、おそらく燃費も良好であろう。
その秀逸な素性とは裏腹に、ニュートラルから1速に踏み込むときの「ガシャン」というショックは、ちょっとデリカシーにかける。「男カワサキ」ではないので、このあたりはヤマハならではの優雅さをかもし出して欲しかった。
近畿道に並行する幹線道路では、水を得た魚のようなハッスル振りを遺憾なく発揮できる。ブレーキ性能も上々で、一切の不安なく信号で停止できる。さすがにABSを評価するシチュエーションにはいたらなかった。
ヘッドライトはカワサキZシリーズにみられるように、今流行の、従来のモデルに比べて低い位置に取り付けられ、メーターのその先に何もないように見える。ライトの上には後付のバイザーやミニカウルを取り付けるためかネジがむき出しになっており、風と戦うためにはぜひともバイザーをつけて走りたい。
私の乗るFZ1フェザーのような排気量1000ccクラス(リッターバイク)との差を実感するには短い試乗であったが、それでも400ccとリッターバイクの中間的な性能を感じることができた。63馬力という出力は、万人向けの扱いやすさが最大の特徴で、日常で使い切ることができる性能だろう。その点で、MT-07のライバルはホンダNCシリーズだ。しかし、NCシリーズが四輪自動車フィットのエンジンを半分にぶった切ったエンジンをベースにしているのに対し、エンジンそのものから新設計のMT-07は、生まれ方が違う。これがヤマハ流の回答だ。
正直、コイツがセカンドバイクであったらと想像するとワクワクする。そんなことは、あまり考えないでおきたい(笑)
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