2017年10月21日土曜日

先月の職場ツーリングの報告をします

9月の週末2回目は、またまたツーリング。その前の週は九州ツーリングだったので、2週連続のDAEGでのツーリングとなる。スポーツスターやレイダーでは、職場の同僚についていくことができなかったりして、このツーリングではDAEGしか選択肢がないのだ。しかも今回のルートは私に一任されており、昼食の場所も任されていた。

目的地だけは決まっていた。福井市の西側、日本海に面した高台にあるグリーンフィールドクラブ越前パラデシア(GFC越前パラデシア)である。ここはうちの職場が法人契約している保養所らしく、安価に利用できるというもの。

そして今回のツーリングには意義がある。気づけば私は47都道府県のほとんどで宿泊したことが分かった。もちろん、すべてに足を踏み入れたことはある。この前の週の九州ツーリングで佐賀県での宿泊を制覇していた。残すは福井県と滋賀県の2県であり、今回のツーリングが福井県での宿泊をクリアすることになるのだ(この翌週、滋賀県も制覇し、47都道府県すべて宿泊を制覇した)。

さて当日。第二京阪道の京都方面、京田辺本線料金所で、いきなり四輪3台と二輪4台がミスコース。私を含む3台は正しい側に。原因は、今年になってから開通した京奈和自動車道城陽JCTまでの新しいブースに入ってしまったこと。久御山JCTに行くべきだったところを間違えてしまった。たしかに間違いやすい。このあと、係員を呼んで説明を受けた。


四輪3台、二輪9台の12人が参加。このように、出発しょっぱなから車組と一部バイク組がはぐれてしまい、滋賀県高島市の道の駅ではぐれた面々の到着を待つ図。


ツーリング定番のマキノ高原のメタセコイア並木。これだけ葉が生い茂ってしまうと、逆にフォトジェニックさが減ってしまう。紅葉の季節に再び訪れたい。


福井県敦賀市の日本海さかな街にある海鮮レストラン、ますよね。あぶり海鮮丼Aは1,400円也。より高額なカニ丼2,700円他あるが、ここでは1,000円クラスにとどめて正解だと思う。前回来た時2,700円のどんぶりはコスパが悪かったので。


福井県敦賀市から越前市(旧・武生市)へ。「越前市」などというバカバカしい市名に驚く。隣に「越前町」や「南越前町」もあるのに。。。


職場ツーリング。バーベキュー用の肉を買うために、武生市の(越前市というバカ市名は使いたくない!)野村精肉店で一同停車。今回の二輪組にはNinja250が2台、TMAX530、ZRX1100、CBR600、GPZ750、Ducati Monster、RVF、私のdaegの9台が参加。うち女性2台。


宿泊は、グリーンフィールドクラブ越前パラデシア。リゾート気分あふれる施設だ。出発前にバイク組が勢ぞろい。初日の途中まで、GPz750も参加していた。


レインボーライン山頂公園からの眺望。手前が三方五湖最大の水月湖(すいげつこ)、奥が三方湖。三方湖はここからは干潟のように見えたが、このあと近寄ってみると、水草が繁殖していると思われた。


2日目の昼食は、福井県小浜市のインド・ネパール料理店、スパイスタウン小浜店。レインボーラインを出発するときに電話で予約したら、11人分の席を確保してくれていた。13時ごろの入店時、他のツーリング客など結構多くのお客さんが出てきたが、ここはお勧めできるお店だと思う。写真は「おすすめランチ」1,000円。大きなナンとドリンクが付く。野菜カレーも手抜きなどなく、しっかりコクがある。辛口を選んだが、日本人に合わせているのか、それでもまだまだという感じだ。チキンも柔らかく味も染み渡り、かつてないほどの満足感だ。最後にサービスとしてアイスが提供されたのはすごくポイント高い。なお、チーズナンがつくセットを注文した仲間は、大量のチーズと格闘し、食べきれない者も続出していた模様。この辺りを訪れるときには必ず再訪したい店である。


解散場所、京都府南丹市美山町・道の駅美山ふれあい広場。牛乳工房のソフトクリームを食べる予定だったが、昼食をとった小浜市のインド料理店がサービスでアイスクリームを出してくれたので、ちょっと食べる気にならず。それでも食べている仲間もいたが。


私の走行距離は533kmだった。1日目は湖西バイパスから琵琶湖畔を北上したが、琵琶湖を間近で見たのは初めてという関西人もいて、面白かった。


2017年10月20日金曜日

先月9月上旬の九州ツーリングを報告します

先月9月の最初の土日、実は九州にカワサキZRX1200DAEGを駆ってソロ・ツーリングに行ったのだ。その報告をしていなかったので、遅まきながら報告したい。

翌月にNMAXで甑島ツーリングを敢行したのだが、なぜその前に同じ九州に行ったのか? それには深い理由がある。その理由を全てここで書くことはできないのだが、Instagramからの写真の転記と合わせてレポートしたい。

連休でもなんでもなく、カレンダー通り、土日の休みを利用して九州北部ツーリングとなった。完全に陸路で行くのは疲れるので、大阪南港からの大洋名門フェリーで北九州市の新門司港にわたる。大阪南港は9月1日金曜夜の19時50分発だ。

大阪の海は悲しい色やね♪ レイダーで行く予定だったスターミーティング九州会場。前日にレイダーにトラブル発生で、今更フェリーも宿もキャンセルするわけにいかず、DAEGで九州へ。



フェリーが21時に明石海峡大橋を通過。展望デッキは撮影する人々でにぎわう。


新門司港に到着。ライダーたちは下船準備に忙しい。車両甲板ではこのように、二輪車は巨大なトレーラーやトラックに挟まれた位置に、進行方向に対して横になる向きに置くことになる(フェリー会社により異なる)。ギアは必ず1速に入れ、サイドスタンドで立てる。東日本大震災での宮城県内のバイク店で、このように1速に入れてサイドスタンドで立てていた店では、バイクの転倒の多くが免れたという。センタースタンドでは揺れに弱い。今回の九州行きでは、このようにタンクバッグとシートバッグ、それにシート下の3つの収納スペースで乗り切った。


九州上陸後、最初に向かったのは博多の長浜ナンバーワン。午前中で客もまだ一人だけ。チャーシュー、ワンタン、高菜、煮卵などすべてが入ったスペシャルラーメン980円。麺の湯で加減はもちろん?固くして。本場だけあって、わずかに豚臭いのと、想像していたほど細麺ではないという印象。もちろん旨い! 替え玉一つ110円を加えてあっという間に完食。


初めてきた唐津の街。鏡山からの眺望はなんども写真で目にしたことのある景色。虹の松原の向こうは玄界灘だ。



九州ナンバーのXSR900と駐車場で並んだ。伝統あるSRの名称にXを付けた、ネオクラッシック・バイク。基本はMT-09だから、速くないわけがない、乗りやすくないわけがない・・・と思う。シートバックだけのシンプルな日帰り旅とみた。

佐賀県唐津市の加部島。その北端にある杉の原放牧場にて。向こうに見えるのは右が加唐島、左が松島。とてものんびりしたところだが、ここに至る道は軽自動車同士でもすれ違えないほどの狭さ。


同じく唐津市の鎮西町(ちんぜいちょう)にある波戸岬(はどみさき)にて。二輪車は100円、四輪は300円で、岬の近くまでこうして乗り入れることができる。なにやら恋人の聖地という記念碑があったが、私には関係ないことだ(笑


玄界灘沿いを西に進み、長崎に到着。実はここまでの福岡、佐賀、長崎の3県をバイクで走るのは初めてである。大分、熊本、宮崎には2015年のツーリングですでに走っているのだが、九州北部はいまだなかったのだ。平成の大合併で、九州本土側にもエリアが広がった長崎県平戸市。その市街地のある平戸島にある川内峠。挨拶でもするかのように、秋風が吹き抜けていた。


平戸島からさらに北西にある生月島(いきつきじま)へ。その西岸には、地の果てにふさわしい光景が広がっている。もうすぐ夕暮れ。生月島の西岸にある塩俵断崖に到着。


このあと、大バエ灯台を経て、ふたたび西岸の「ながさきサンセットロード」へ。この景色に会うためにカワサキをここまで走らせてきた。映画ジュラシックパークの世界を思わせる地の果て、生月島(いきつきしま)の西岸。道路でつながった日本の西の終わり。


オアフ島の東に、映画ジュラシックパークのロケ地となったキャニオンを見たことがある。生月島の西岸は、それを彷彿させる迫力のある断崖である。今回のツーリングの相棒、カワサキZRX1200DAEG。直前のトラブルでヤマハXV1900CUレイダーは来ることはかなわなかったが、旅の道具としてのDAEGの素性の良さ、頼もしさは想像を良い意味で裏切ってくれた秀逸なものだった。のんびり走るもよし、しかし随所にスポーツを織り交ぜたツーリングは、ネイキッドならではツーリング特性だが、DAEGはすべて乗り手の意思を裏切ることは無い。この動画のような、対向車さえない最果ての地でも、こいつとならどこでも行けるだろう。翌日はスターミーティングはあきらめ、有明海をフェリーで渡り、雲仙へ。こんなチャンスでもなければ、なかなか行くことができない、その先の日本である。




泊りソロツーリングのお楽しみは一人呑み。ホテル近くの焼肉店は臨時の早じまい。近くに適当な店はなく、くタクシーで鳥栖駅前(運転手さん曰く居酒屋口というほど居酒屋が多い)の「ひなっ子」へ。鳥栖だから鳥料理なのかと、いま思った次第。ここ人気店とみえ、大勢の客でにぎわっていた。広いカウンター席で生ビール×2、地元の酒×1に、フランス産鶏にルーツを持つ「みつせ鶏」の主な料理を食べて3,660円。ずいぶん安いと思ったが、あとでレシートを見たら、ビール一つ会計し忘れていたようだ。



宿泊地の鳥栖から長洲港に向かう途中、九州自動車道から一般道に降りてガソリンを補給したのは熊本県荒尾市のシェル。道の向こうに観覧車とジェットコースターが見え、本格的な遊園地のようだ。後で調べると、グリーンランドという遊園地のようだ。グリーンランドってあの、デンマーク領の世界一大きな島のことか?と思ったが、関係ないのであろう。ここは旅の通過点に過ぎないが、残りの生涯で再び通る可能性は限りなくゼロに近いと思う。それでも、この光景を目に焼き付けておくことが、ツーリングの意義でもある。


旅に出よう。急な予定変更も英知で乗り切る。雲仙に行くのに陸路しか思いつかなかった私には、まさか有明海をフェリーで渡るとは一昨日まで考えもしなかった。時刻表はいらない。長洲港に着いたらフェリーがちょうど出航してゆくところだった。

有明海を渡り多比良港まで向かう有明フェリーの乗り場、長洲港フェリーターミナル。ターミナルビルはとても秀逸なデザインだと思う。



45分の船旅は、750cc以上のバイクも含めて1,100円。私が次の船では一番手。ここでは出発前、あれこれ話かけられた初老のご夫婦がアクシストリートでのんびりしたタンデムのツーリングを楽しまれていた。景色や食べ物も楽しいが、人との出会いが最も印象深く記憶に残る。



43人の尊い人命が奪われた雲仙普賢岳の大火砕流。あれから20年以上の月日が流れた。このときの普賢岳の噴火でできた巨大な溶岩ドームが、今では「平成新山」と呼ばれていることをどれだけの日本人が知っているのだろうか。しかも長崎県の最高峰である。山肌は緑に覆われてきた。昭和新山よりも新しい、もっとも新しい日本の山。


全線で左回りの一方通行という仁田峠循環自動車道路の途中にある、仁田峠第二展望所からの眺め。山腹がすっかり緑に覆われた平成新山の姿。火砕流や土石流を発生させ、多くの人の命を奪った溶岩ドームと呼ばれていたころの面影は消えてゆく。。。



長崎自動車道・金立サービスエリア。さすがに雲仙から140kmもノンストップで走ると小腹が空いてきた。食べかけの串2本。手前がサガリ串600円、向こうが豚バラ串400円。帰りのフェリーでバイキングは止めて、これで早めの夕食終わり。


連休ではない、普通の土日をフルに使って九州ツーリングを敢行した。ひょんなことからDAEGで行くことになったが、都市からワインディング、高速道路までのあらゆるシチュエーションで楽しさ満載のDAEGの走り。荷物の積載性だけはベストとは言えないものの、シート下の積載スペースとあわせ、タンクバッグとシートバッグを搭載すれば、ソロでのかなりのロングツーリングもこなすということが理解できた。

最後に、なぜレイダーではなくDAEGで九州に行かなければならなかったのか。それは、9月3日に阿蘇・うぶやま牧場で開催されるヤマハのスターミーティングに参加するため、かなり前からフェリーや宿の予約をしていたのだが、出発の前々日、レイダーの車検が切れていたことが判明した。それでキャンセル料を取られるぐらいならと、レイダーの車検の手はずを整え、DAEGで行くことにしたのだ。カワサキ車でヤマハのイベントに行くのも気が引けるので、3日の日曜日はフェリーを使って有明海を渡り、雲仙を初訪問したのだが、結果的にはこれが素晴らしかったと思う。スターミーティングも思い出になるだろうが、なかなか長崎の半島まで出かけるチャンスはないと思った次第だ。

残りの人生はできるだけ多くの、冒険のようなオートバイの旅に出ようと思っている。その想いをなおいっそう強くしたDAEGの旅であった。

以上

2017年10月17日火曜日

2017 YSPツーリングは奥飛騨へ

今年もやってきた、YSP(ヤマハスポーツプラザ、ヤマハ二輪のディーラー)主催のツーリング。明朝の集合時間が早いので、滋賀県大津市のホテルに前泊。バイクは玄関前のこんな場所に停めてくれと厳密に指定されたが、ちょっと大胆すぎないか。このビジネスホテル、大津インターまですぐそばで、利便性が高い。


土日の予報はいずれも雨。でもどうか降らないでほしい。 朝7時に集合場所の名神高速道路・草津パーキングエリアから養老サービスエリアへ。養老サービスエリアでは同世代?のライダーとコミュニケーションをとった。


関西に越してからバイクで岐阜・愛知以東に来たのは実は初めて。日本一面積の大きな市町村である岐阜県高山市。香川県や大阪府よりも大きく、島しょを除く東京都より広い。そこでは平地より早く紅葉が始まっていた。東海北陸自動車道・郡上八幡インターチェンジで降りて、せせらぎ街道を高山市の中心部に向かう途中、道の駅パスカル清見にて。


スタッフが駆る新型TMAX530。スクーターといえばスクーターだが、オートマチックスポーツと呼ぶべきバイクである。



初日の昼食は高山市清見町のせせらぎ街道沿いにある、そば処清見庵おおくら。手打ちそばをいただいた。YSPスタッフの皆さんは、最新モデルに分乗してツーリングを統率してくれる。広報用?のMT-10。


高山市のガソリンスタンドにて。ここまでの燃費は、高速道路がメインで過去最高の23.9km/l。この時点では日が照り付け、むしろ汗ばむほどの暑さだったが、この後の乗鞍岳で真冬の寒さに。同じ市内で四季が逆転した感。


ヤマハの最新モデルを駆るYSPスタッフたち。手前から、YZF-R3、MT-09、セロー。


宿泊は奥飛騨・平湯温泉の岡田旅館和楽亭。到着してしばらく休憩し、14時20分に貸し切りバスに乗り換え、乗鞍岳畳平の駐車場(標高2702m)に向かう。乗鞍スカイラインはマイカー規制され、一般車は走ることができない。ただし、自転車はよいとのこと。

畳平からは、お手軽登山で魔王岳(標高2764m)まで登ってみた。10分ほどで山頂まで行ける。そこから南をむけば、乗鞍岳主峰の剣ヶ峰(3026m)が見える。16時の時点で畳平の気温は3度で、素手だと痛いぐらい寒い。魔王岳は畳平では一番気軽に登れる山。何年か前、畳平駐車場にクマが出て人を襲った事件があったことを思い出したので、さきほど調べたら、この魔王岳の中腹から出現したとのこと。しかも、このあと土産をかった店が、クマが店内に入った店だという。知って驚いた。


マイカー規制される以前の10数年前、自家用車で来たことはあったが、その時は雲の中で一切景色が見えなかったことだけを記憶している。雨の予想だった昨日、日が西に傾くころ、山々を覆っていた雲が消え、神々しい穂高連峰と槍がその姿を現した。みんなとツーリングに来てほんとうによかった。


YSPツーリング恒例の大宴会。飛騨牛のすき焼きをいただいた。霜降り肉は口の中でとろける感覚。翌朝、みなさんグダグダに。3時まで飲んでいた強者も。


駐車場に停められたYSPツーリングのバイクたち。左のレッカー車ですが、今年はお店のマネージャーが運転担当だ。万一の時に備えてくれ、本当にありがたく頼もしい。BMWやカワサキ、スズキも混ざっているが、ほとんどヤマハ車で、すべてYSP寝屋川あるいは枚方南のお客さんだ。


2日目は朝から雨。早朝には見えていた穂高連峰の山頂も、すっかり雲に覆われてしまった。予定されていた新穂高ロープウェイはキャンセル。安房トンネルをくぐり、梓川ダムで南に進路を変更し、旧奈川村を経由して大桑村の道の駅で休憩。長野県のあちこちを巡った私だが、実は木曽国道を走るのは初めてである。

雨の木曽路を走る。



昼食は妻籠宿(つまごじゅく)での自由行動。雨のためか、観光客もまばら。2007年、父が亡くなった年に一緒に来て以来10年ぶりの宿場町だ。


YSPツーリングの一コマ。中津川市のガソリンスタンドで、私を除くすべての参加者が給油したようだ。私はここから105km先の次の集合場所、名神高速道路・養老SAで給油。



解散前の最後の集合場所、名神高速道路・養老サービスエリア。雨は本格的に降り続けている。新旧FJR1300ASが並んだ。オーナーから聞けば、クラッチ操作から解放され、エンストのリスクがなく、一度体験するとクラッチ操作に戻りたくないとのこと。減速で1速に戻り、渋滞はすこぶるラクだという。ただし、半クラッチの感覚がわからず、リアブレーキを併用して行うが、クラッチ車よりUターンしづらいとのこと。

16時28分、解散場所の草津サービスエリアに到着。レイダーは高速道路は得意であるが、90km/h以上では逆に不快になし、雨もあるので、私は80km/h強ほどのマイペースでみんなからは遅れて到着。このあとセローに乗る若手スタッフが到着。さらにここから85kmほどの自宅に帰る。もっぱらソロツーリングが専門の私だが、たまには大勢のツーリングも悪くない。あらたな人間関係の構築もできる。前泊を含む3日間の総走行距離は780km。



2017年10月12日木曜日

NMAX125でゆく甑島ツーリング

2017年10月6日 仕事を早めに切り上げ、まだ見ぬ「その先の日本」を知るため、NMAXを走らせる。最初の給油は八尾市志紀町のエッソ志紀にて。NMAX初の給油であり、燃費計算はできない。


神戸三宮港からフェリーに乗り込む。船内レストランはバイキング。1,500円の元を取ろうと、これでもちょっと欲張ったほう。右の皿にある炭焼地鶏が名物の地方に向かうのだが、エビフライの横にある鶏のから揚げのことを「ザンギ」と表示していた。500ml缶ビールは320円。向かい合う若い男性と相席だったが、彼のほうから声をかけてくれた。聞けば、関西で3か月の修業が終わり、地元に帰るとのこと。都会は苦手だと言っていた。


翌朝、宮崎港にて九州上陸し、都城市を経て錦江湾(鹿児島湾)沿いへ。霧島市隼人町にある鹿児島ラーメンセンターマルヤスにて昼食。煮卵入りラーメン730円。鹿児島ラーメンは初めてなので、これをもって鹿児島ラーメンを評することはできないが、長浜ラーメンに近い細さのやや縮れた麺で、ゆですぎなのか柔らかい。スープは豚骨しょうゆなのだろうが、どことなく味噌っぽくもある。一言で表すなら、「寝ぼけたラーメン」だ。ごめんね。


鹿児島市に向かう途中の国道10号・姶良市(あいらし)を走行中、ハーレーダビッドソン鹿児島を発見! 立ち寄ってみた。こちらもハーレーのキャップをかぶってオーナーであることをアピール(笑) その成果もあり、アイスコーヒーをいただいただけでなく、2018年モデルのカタログを進呈された!


2018年モデルのソフテイル、ブレイクアウトが2台。こちらが排気量114ci、向こうが107ci。タンク容量が13リットルと少なくなったのはスタイルのバランスを考えてだろう。ブレイクアウトのテールランプはウインカーに組み込みなので、独立したテール&ブレーキランプはない。このモデルチェンジにより、最大17kgもの減量を成し遂げたという。新作エンジンであるミルウォーキーエイトもかなり評判が良いという。まぎれもない、わがレイダーの最大のライバルがこのブレイクアウトである。幅240mmというワイドなリアタイヤが大地をけ飛ばして走る。2016年モデルを試乗したことがあるが、曲がるのに一苦労した記憶がある。(レイダーの後輪は210mm幅)


次のフェリーに乗るため、宮崎から一般道170kmほどを走って鹿児島県西部・串木野新港に到着。スクリーンに乗船券を張り付けるのがここの流儀。鹿児島県を二輪車で走るのはこれが初めて。残るは青森・秋田・山形・沖縄の4県を残すのみとなった。さぁ、ここからは東シナ海を渡る。


夕闇迫る東シナ海に、今日の目的地、上甑島(かみこしきしま)が見えてきた。この島の最高峰は千葉県の最高峰(房総の愛宕山408m)より高いという。わがふるさと、千葉県はあらためて「山なし県」であることを実感。


10月7日は全国で鹿児島だけが30度という予報。宮崎県内を走った午前中はすがすがしい秋晴れの快適さだったが、県境を超えると一気に気温が上昇して夏モード。すっかり秋めいていた関西から季節が逆戻りした感。秋冬用ジャケットの吸気口と排気口を開放しても、熱がこもり汗だくに。18時に到着し、他の客が到着する前にひと風呂浴びた。民宿と聞いて期待していなかったが、至れり尽くせり、アメニティはすべて揃っていて、予想外の現代的風呂に感激!


今夜の宿泊客は私を含め8人。30~40代のご夫婦2組以外は、私と同業他職種の3人組(すべて職種は異なるが)。彼女たち自身おばさんと称していたが、おそらく私と同じおじさん世代だろう。高校の同級生とのこと。鹿児島県人でも甑島を知らない人もいるだろいうという話。日本全体で見れば、おそらく日本人の1%も生涯、訪れることのない離島ではないだろうか。


地元・上甑島・里にある塩田酒造さんの焼酎、六代目百合をロックでいただいた。芋焼酎は悪酔いする印象があり苦手だったのだが、せっかくだからとこの地元の焼酎をいただいたところ、あっさりと飲め、翌朝も全く残らなかった。


日本三大トンボロの街、上甑島・里。その西岸で迎えた朝。穏やかな海面、穏やかな風景。穏やかな人々。そして、あいさつの島。行きかう人すべて「おはうようございます」「こんにちは」と、挨拶してくれる。挨拶しないと、「お前、さっき挨拶してくれなかったろ」と言われることすらあるという。こちらバイクに対して車から手を振ってくれたのには驚いた。バイク同士ならしょっちゅう挨拶はしているが。。。都会が失ったものが確実にある。


トンボロの北には、陸続きの、ほぼ無人島がある。その東岸は市の浦キャンプ場。コバルトブルーの海が普通にそこにある。おそらく離島や孤独に魅せられたであろうキャンパーが数名。バイクあり、クルマあり。札幌ナンバーのデリカが1台。


この景色が見たくてここまでやってきた。長目の浜展望所。上甑島の北岸には、砂洲(長目の浜)で仕切られた湖沼群をみることができる。いちばん向こうが、最大の海鼠池(なまこいけ)。


上甑島の一番西部の小さな漁港の集落、桑之浦にやってきた。そこにあるのは、美しい海、穏やかな人々、逃れられない現実。


北西側からなまこ池(海鼠池)を見下ろす展望所。砂洲である長目の浜の向こうは東シナ海。


現在、上甑島と下甑島の間の交通手段はフェリーだけである。中甑島は上甑島と架橋され、行き来ができる状態だが、下島はそうではない。6年前に始まった藺牟田瀬戸架橋(仮称、いむたせとかきょう)建設も、当初予定の2年を大きく過ぎ、ネット情報によれば今年の11月(来月)にでも完成予定とあるが、こうして木の口展望所から見れば、進捗状況は芳しくない。仮設橋を建設しているようで、これでは10年先も未完成ではと思わざるを得ない。日本のサグラダファミリアだと言ったら、宿のご主人からは「あれはいつか完成するが、こっちは完成の見込みがない」と返された。


異国情緒あふれるアーチ橋の鹿の子大橋。中島と中甑島を結ぶ。




平成の大合併で薩摩川内市に属することになった甑島列島。その中心市街地とも呼べる旧・里村は、日本三大トンボロの一つである。あとの二つは、函館市(北海道)と串本町(和歌山県)である。



上甑島の、北東に位置する里と反対側、南岸に面する中甑港に、茶色のフェリーターミナル然とした建物を見つけた。フェリーターミナルにあらず、コシキテラスという、昨年オープンしたおしゃれなカフェ&ショップのようだ。午前中に訪れた時には、財布をバイクに忘れ、小銭入れしかなく、アイスコーヒーとカップアイスクリームをいただくにとどめたが(なにせ汗だくだったんで)、午後から再訪して、島アロエのソーダと豆腐のティラミス?を注文した。正直、コストパフォーマンスは最悪の部類に入る。この二つで1,100円ほどだ。事実、客はほとんどいない。せっかくおしゃれなスポットが誕生したのである。適正な価格にして、ついでに愛想を良くして、一人でも多くの島民や観光客に来てもらう努力を見せてほしい。行政(薩摩川内市)が肩入れするとロクなことにならない前例にしないためにも。



突如現れる、圧倒的な迫力の絶景。甑大明神橋から望む、甑(せいろ)のような形をした大岩。


長目の浜と海鼠(なまこ)池を北西部の田之尻展望所より眺める。他に誰も観光客がいないであろう気持ちよさ。ちっちゃいバイクで日本の隅っこに来ることに意義がある。


東シナ海に沈む夕日。17時53分


6時31分。朝日が里港フェリーターミナルのゲートをくぐる。


2017年10月9日 さようなら甑島。濃縮された39時間をありがとう。このあと朝9時半のフェリーに向けて里港へ。


串木野新港に再び上陸し、伊佐市を経由して宮崎に帰る。その途中、伊佐市(旧・大口市)に曽木の滝なる案内があり、行ってみるとまさに東洋のナイアガラ。群馬県の吹割の滝とはまた違う趣。


鹿児島県伊佐市から宮崎県えびの市に向かう国道447号線。峠を含む山間区間は「酷道」の類。NMAXは小型スクーターながら、パワーを出し切る感もなく、峠を越える。


えびの市から宮崎市へ。再び神戸までのフェリーに乗り、翌朝、現実に戻ってきた。

5日間の総走行距離:607.1km(フェリー区間は除く)  平均燃費:53km/l(驚愕!)