2015年8月29日土曜日

アドレスV125でプチ・ツーリング

今日は昼過ぎから、3台所有するモーターサイクルの末弟ともいえる原付二種スクーター、スズキ・アドレスV125を駆って、奈良県中西部に位置する五條市方面にプチツーリングしたので報告する。

目的は、五條市にあるバイクショップ「風の谷」に行き、白いハヤブサの実車を見ることと、先日、伊丹のバイクセブンで買った新しいブーツ、エルフのシンテーゼ15の性能を確かめたかったためである。もっとも、ギアつきバイクのように足の甲を使うことのないスクーターだから、真価はわからないだろうが。

バイク用ショートブーツ、エルフのシンテーゼ15

これはショートブーツで、生産が追いつかないほどの人気商品だという。スキーブーツを思わせるバックルが装備されているのが特徴だ。履き心地は素晴らしくよく、ライディングに必須のくるぶし周りのプロテクト性能も高いと思う。

アドレスには、今年のゴールデンウィークの四国・九州ツーリングでFZ1フェザーに搭載した、大容量46リットルのGIVI社製トップケースを装着してみた。小型スクーターに不向きとされる大柄なボックスだが、あまり違和感なく装備できた。


125ccスクーターにフルフェイスヘルメットが2個収納できる大容量ボックス(トランク)の装着。これで最強の下みちツーリングマシンの完成だ!(笑)と、ひとり悦に入り、出発となった。

ここ関西は、10月上旬並みに涼しい日が続いているとされる関東と違い、相変わらず暑い。この日の路肩の温度計は最高が31度。葛城市から五條市までは、金剛山地沿いを通る、素晴らしい田園道路。これまでこのルートでは国道しか走ったことがなかったが、それと並行する美しい道だ。

今日のランチは五條市西部にあるインド料理店ダルシャンへ。

ダルシャン Facebook ページ

ここは去年にもディナーで訪れたことがあるが、そのときは「二度と来ないかもしれない」という低い評価だった。ホールスタッフも日本人男性だけだったと思う。ところが今回は、入り口のところに祝開店という花輪が置かれており、どうやらリニューアルオープンとなったようだ。店員から調理人まですべて外国人である。


注文したのはランチメニューで最も高価!なインディアン・セット1,200円。その他のランチメニューはナンかライス、ドリンクつきで700~800円というから、激安のインド料理店である。インディアンセットにはミニサラダ、ミニライスとナンがつき、ドリンクも選べる。カレーは3種で、ポーク、チキン、ベジタブルのカレーがつく。残念なのは、それぞれのカレーは具材が異なるだけで、ベースとなるカレーの個性がないのだ。


しかしボリュームはたっぷりで、カレーの個性がないものの味は悪くない。ナンはモチモチ感がたっぷりだが、表面はカリッと焼きあがる、二律背反を具現化したようなナンだ。かなりポイントが高い。このようにコストパフォーマンスがよいランチを食べられるダルシャンは、インド料理初心者からベテランまで、万人にオススメできる店である。私の中では、これまで訪れたインド料理店の上位1/4ほどにランクインする店だと思う。

ここでの昼食を終え、目的地のバイクショップ、風の谷へ。たどり着くまで、ちょっと道に迷ったのだが、噂の通り、「こんな山奥にバイク屋があるなんて・・・」と思うほど、辺鄙な山奥に位置している。風の谷という名前のごとく、谷底の集落に位置している。四輪車では絶対にすれ違えない、獣道のような簡易舗装路を入った、谷の奥底にあるのだ。おそらく、日本一、辺鄙な場所にあるバイクショップだと思う。

バイクショップ風の谷 Facebookページ

そんな辺鄙なところにありながら、バイク在庫数が半端じゃない。おそらく300台は下らないと思う。この地のガレージも複数あり、このほかに離れたところにもあるとのことで、 恐るべき在庫数なのである。


到着したときにはお客さんがいて、店主を交えて関西弁で(当たり前だが)250ccオフロードバイク談義に花を咲かせている。店主に断って店内?ガレージ?を見せてもらったのだが、「どうぞご自由に」と言われても、所狭しと並べられたバイクの間を進むことはできないのだ。


バイクのラインナップだが、イタリアの名車ドカティが多い。さらにクモの巣が張った不動車と思しきバイクも多い。一瞬、大丈夫か?このショップは・・・と不安に駆られたのは間違いない。

店主に「白いハヤブサを見せてください」と言うと、別のガレージに案内された。そこでは、白いスズキGSX1300Rハヤブサが鎮座していた。わが国の道路交通において、おそらく速さでは右に出るものはいないであろう。路上の王者とも呼べる、究極のモーターサイクルだ。ゴールドウイングとは別の意味での究極だ。


このハヤブサは前オーナーの思い入れが強く、わざわざホワイトに塗り直したのだという。ミラーやレバー、ステップなど、いろいろなところにカスタムパーツが使われている。白いハヤブサは通称シロブサとも呼ばれ、日本を代表する名車ハヤブサをさらに代表するカラーなのである。白とはいえ、さすがに白バイはイメージしないだろう。

そして車両本体価格も驚きの二桁万円台。走行距離も2万キロにまったく届いていないし、ETCも装備されている。これは絶対お買い得だろう。またがって垂直まで起こしてみたが、重さはさほど感じない。愛車として接するユーザーともなれば、このぐらいの重量感はまったく問題にならないかもしれない。

実は、この最新型のハヤブサは、2008年に登場したとき、筑波サーキットで行われたお披露目試乗会に、私は参加していたのである。そのときの乗りやすさと、走り出してからの軽快感は、今でもしっかり覚えている。

先日までゴールドウイングだ、ハーレーだと一人騒いでいた私だが、人生は一回きりと考えれば、このようなメガ・スポーツを所有するのも悪くないと思う。かつて「人生は一回きり、だからこそ大排気量のマニュアルトランスミッション車に乗ってみたい」という理由だけで、中古のフェアレディZを乗り回していたことがある。モーターサイクルに関しても、そういう思いは同じではないのだろうか。ちなみにスズキではこのハヤブサを、アルティメット(究極の)スポーツと呼んでいるようだ。

さて、このショップでの用事は済んだので先を急ぐ。国道310号線は、これまた国道とは呼べるシロモノではない。良好な舗装をしている分、酷道という表現は避けておくが、狭いワインディングが続く峠道は、どう考えても普通の国道といった感じではない。そのためか、土曜日の昼過ぎにもかかわらず、対向車はほとんどいないのだ。これが大阪と奈良南部を結ぶ幹線道路だとは、到底考えられないのだ。

そして標高も高く、峠のトンネルの前後ではおそらく20度台前半あるいは10度台と気温はぐんぐん低くなった。寒いからくしゃみが出る、というわけで、ヘルメットの中で大きなくしゃみを50回ぐらいはしたと思う。この後の雨もあり、ツーリング後半の体感温度は一気に真夏から初冬ほどの寒さに急降下したのである。

大阪府河内長野市に降りてくる途中、突然の大雨に見舞われ、市街地でレインウェアを上から羽織ったのだが、ズボンもかなり濡れてしまっていた。その後はグローブだけが気持ち悪く水浸しになってしまったのだが、上述した新しいブーツにはまったく水の浸透がないのである。メッシュを採用したブーツであるが、蒸れることもない。かなり秀逸なライディング・ギアだろう。生産が追いつかない人気というのも納得できる。

それにしても、雨はモーターサイクルの旅を憂鬱にしてしまう。もちろん、雨でもライディングを楽しむことができるのが真のライダーという説もあり、それも理解できるのだが、雨ではヘルメットのバイザーも曇りがちとなり、少しだけ開いた状態を保とうとしても、水滴が顔にあたることになる。さすがに雨を楽しむ余裕はないのが実情だ。

そのうち、前を通ることはあっても、一度も利用したことのない道の駅にさしかかった。道の駅・近つ飛鳥の里・太子である。

道の駅 近つ飛鳥の里・太子

聖徳太子から取った地名である、ここ太子町(たいしちょう)をはじめとする大阪府南部では、ぶどうの生産が盛んな場所であることを、関西に来て初めて知った。山の斜面は見たことのない景観が広がっており、それらはすべてぶどう畑なのである。都市近郊の限られた土地で、高い付加価値を生む農産物なのだろう。


 大粒のデラウェア(写真を撮り忘れた)が550円(+税)で販売されており、買ってみた。自宅に帰って食べてみると、種はなく、皮ごと食べられ、しかも甘い。大阪産のぶどうは、このあたりではあちこちに直売所があるのだが、何回か失敗をつかまされたことがある。ここ道の駅は、さすがにハズレの産物はおいていないのだろうか、実に美味しいぶどうを味わうことができた。

竹内(たけのうち)街道を越えて自宅に近くなると、久しぶりの給油のためにガソリンスタンドに立ち寄る。ここでの燃費は36km/lを超えた。最近、燃費が20km/l台後半が続いていたが、オイル交換とタイヤ交換が功を奏した形なのであろう。



後半は雨に降られて気持ちよいとはいえないツーリングになってしまったが、奈良と大阪南部をめぐる今回の走行距離は87.1km。これだけの距離を一気に走ると、ちょっと近所にお出かけ用のスクーターでも、走った後の満足感が得られた。

通勤や買い物のための50cc原付スクーターをお持ちの皆さんにも、行ったことのない場所、走ったことのない道でのプチ・ツーリングを是非、オススメしたい。 それはきっと、アドベンチャーと呼べる旅になると思う。

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