本日、昨年9月に中古で購入したヤマハFZ1 FAZER(フェザー)を下取りに出し、XV1900CU RAIDER(レイダー)を購入しました。お店は大阪府枚方市にあるYSP枚方南です。
フェザーとは1年ちょっとの短い付き合いでしたが、前のXJR1300を売却した店で、そのとき偶然に店内にあり、手ごろな値段だったので買ったのです。今回下取りに出すに当たり、衝撃の?事実が判明しました。それは、シートがローダウン・シートだということです。以前、別のYSP店でフェザーを試乗したことがありましたが、そのときには足つき性がイマイチと記憶していたのですが、自分のフェザーは足つき性がそれほど悪くなかったのです。記憶違いかと思いきや、実はシート高を下げるためにシートの肉厚が薄くなっていたというものです。特段、乗り心地が悪くなったわけではありませんし、ローダウン・シートは人気だそうです。
さて、最近ハーレーダビッドソンに執心でしたが、結果的にフェザーと交代して購入にいたったのは、同じヤマハのレイダーです。2013年モデルで10139kmの走行距離、カラーは2013年モデルにしか設定していない、きわめて希少な(日本には10数台といわれる)ホワイトです。これで、ハーレーダビッドソンXL883Lとあわせて、クルーザータイプのオートバイの2台所有となります。
2013年モデル XV1900CUレイダー
カタログ(PDFファイル)
購入した車両には、オプションの左右サドルバッグサポートが装着されています。また、ETC車載器が搭載されており、その日から高速道路が快適に利用できるのでした。
さて、なぜ今回もクルーザータイプを選んだのか、その理由を語ると長くなりますが、要は「首が悪いので前傾姿勢のバイクに乗れなくなった」からです。変形性頚椎症で2012年初頭に右第6頚椎と第7頚椎の間の神経根の圧迫を手術で開放しましたが、今回はその反対側、左の同じ頚椎が骨の変形をきたしています。いまリハビリを受けて治療していますが、フェザーのような前傾姿勢の緩やかなモデルであっても(ハンドルはノーマルより2,3cm上げている)、クビには相当の負担がかかり、信号待ちのたびに上半身を起こしてクビを前屈させてリラックスした姿勢を取らなければなりません。そうでなければクビから左肩にかけての違和感や痛みが増してしまうのです。
そういう持病を抱える中、6月に衝動買いしたハーレーは、私に「アメリカン食わず嫌い」を治してくれた、格好のモデルでした。足つき性を心配することなく、速度も気にすることなく、風景を眺めながらゆったりわが道を行く、といった使い方ができるのです。オートバイに対する考え方を変えてくれたともいえます。
さてレイダー。現行国産二輪車の最大排気量モデルです。かつてはカワサキにバルカンVN2000という2000ccを超えるモデルがありましたが、現在はレイダーが最大排気量に君臨しています。ホンダのゴールドウイングが1800cc、ハーレーダビッドソンのCVOが1800ccということを考えると、1900cc(正確には1854cc)が二輪車にとっていかに大きな数字かというのがわかるものです。
その大きな排気量を生み出すのがV型2気筒エンジンです。1気筒あたり900ccを超える排気量ですから、1リットルのペットボトルぐらいのシリンダーが2つ配置していることになります。V型2気筒エンジンを搭載したオートバイの代表格がハーレーダビッドソンであり、タイプも同じクルーザー(いわゆるアメリカンバイク)ですので、どうしてもハーレーと比べてしまいます。私はいくつかのハーレーに試乗したりして、それと比較して以降、レイダーの特徴を述べてみたいと思います。
まず、このレイダーの全体的な特徴は、ローアンドロングという点です。前後の軸間距離(ホイールベース)は1799mmもあります。これはライバルとされるハーレーダビッドソンFXSBブレイクアウトよりも90mmも長いのです。あらゆるオートバイの中で、これほどホイールベースの長いモデルはありません。フロントタイヤは21インチ、リアは18インチと大径ホイールを装着しています。とくにリアは210という21cm幅の太いタイヤを履いており、ロー&ロングに加えてワイド、という見た目を強調しています。これはライバル、ブレイクアウトの240には及びませんが、見るものに獰猛なインパクトを与えています。
メーターはタンク上に位置しており、スピードメーター内に燃料計を配置したシンプルで高級感あふれるものです。タコメーターはありません。ミッションは5速で、5速100km/h時の回転はおそらく2500rpmほどでしょう。およそ高回転型のバイクではありえない低回転での巡航が可能です。このメーターにとって残念なのは、針に照明がなく、夜間に確認しづらいということです。
納車直後に幹線道路を、その後に高速道路を走ってみました。ひとことで言えば、まさにクルーザーの名に恥じない、地上の大型クルーザーという堂々たる走りに感激しました。走り出してしまえば驚くほどの直進性を示すことはもちろん、信号待ちで止まる瞬間にも不安感がなく、すべての走りが「安定」のひとことに終始します。しかし、直進番長的な扱いにくさはあまりありません。低速での回旋も意外と苦でないのです。それは、チョッパースタイルを演出する大胆に寝かされたフロントフォークの角度(キャスター角)に対して、ステアリングポストの角度は6度ほど直立に近くなっており、この差(ヨーク角)が低速での安定性と扱いやすさに寄与しているのです。
アメリカ製のハーレーと異なり、ギアを入れる感覚も一般的な国産バイクと同じで軽くラクです。もちろん、ニュートラルに入れるのも簡単です。気負うことなど全くありません。また、ハーレーよりもトルクバンドが広いためか、ズボラなシフトアップ、シフトダウンをしても、ノッキングする気配は少ないです。ライダーのズボラに付き合ってくれるのです。
クラッチは軽く、これはこの2013年モデルから採用された、アシスト&スリッパークラッチという新機構が関与しているようです。なにやら、クラッチの圧着力をアシストして、反対にすべる方向に動くと意図的にスリップさせるというのです。これで、クラッチレバー操作が従来の2割ほど軽くなったようです。また、バックトルク発生時に半クラッチに近い状態を生み出し、挙動の変化やエンジンブレーキの発生を抑え、快適に走行できるというスグレモノのようです。
初日から高速道路を走りましたが、5速80km/h巡航からのスロットルひとひねりで、背中を蹴飛ばされるほどの強烈な加速を味わうことができました。ゆったり走り、ショーウインドーに映る自分の姿を見て悦に入るもよし、自己顕示欲の塊となって街を流すもよし、いろいろな走りを演出できる可能性があるモーターサイクルだと思いました。とにかくこれからが楽しみです。
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