専門医が資格更新のために参加すべきセミナーの終了が16時20分。自宅から下関までの行きに約8時間かかったということは、これから高速道を飛ばして帰っても、おそらく日付が変わらないうちには帰れないということが、容易に予想できた。
それでも、クルーズコントロール(CC)で80km/hの設定で走るつもりだから、あせらず、のんびりと走ることにした。中国自動車道の下関インターチェンジは予想外の大渋滞だったが、料金所を過ぎると九州方面が渋滞していて、大阪方面はスムーズだった。今回の下関行きの全行程で、渋滞はここだけである。
中国自動車道は、神戸など大都市周辺とインターチェンジ周辺をを除いて照明がない。そのため、ヘッドライトが照らす範囲外は漆黒の闇である。この日は霧があちこちに立ち込め、めったに使わない補助灯を使うシーンが多かった。もっとも補助灯を使ったところで、照らす範囲が左右に少しだけ拡大されるだけである。
また、対向車も少なく、大部分で先行車すらいないので、ハイビームを使用している時間が非常に長い。大都市圏ではハイビームなど無用の長物的なところがあるが、中国自動車道の夜では必需である。
80km/hで巡航しているということは、周囲のクルマの大半は追い越してゆくクルマである。であるから、こちらから抜きにかかるシーンはほとんどなく、ブレーキもアクセルも目的地まで使わないで済むのである。100km/h巡航ではそうはいかない。周囲のクルマとの微妙な速度差が、抜かれ、また抜き、せっかくのCCを使う価値がないようなものだ。
19時近くなり、昼食を抜いた分、腹ごしらえを早くしたくなり、美東サービスエリアで食事となった。このサービスエリアには、ラーメンチェーン店のげんこつらあめん花月嵐 が入っている。ちなみにこれは、にんにくげんこつラーメン花月の新ブランドだという。
まだガソリン残量があるので、次のサービスエリアまで間に合いそうだったが、ここから140km先の勝央サービスエリアまでは、高速道路上にガソリンスタンドがない。そのため、この七塚原SAまでの間には、「先140kmスタンドなし、七塚原SAで給油せよ」という看板に何回もお目にかかることになる。
七塚原SAは行きにも給油したスタンドだった。行きはENEOSの有人スタンドだったが、下りはセルフスタンド、しかもこの時間帯には施設に誰もいないようで、給油スペースを除いては明かりすらともっていなかった。
行きの給油では給油ノズルが自動的に止まる位置で給油が止められたが、セルフスタンドは目一杯給油できる。そのために、今回は、前回ギリギリまで給油しなかったため、実際の消費量より多くのガソリンを入れることになり、燃費計算は悪いと思われた。しかしそれでも、627.8km 走行して 55.13L だから、燃費は 11.38km/L となり、高速主体であるため、意外に良い数字が出たと思われた。
さいごの休憩は勝央サービスエリア。熱いデミタス珈琲缶を飲み、不意な眠気の予防とした。ちなみに今回の行程で眠気を感じたのは行きの一瞬だけで、帰りは眠気がまったく襲ってこなかった。長距離ドライブの大敵は眠気と疲労だが、繰り返しになるが、一見、ずぼらで眠気を誘うようなクルーズコントロールが、逆に過度な神経興奮を抑えて疲労も抑制している可能性が示唆された。
勝央SAを過ぎると、岡山県から兵庫県に入ってくる。このあたりもまだまだ山深く、中国自動車道は直線らしい直線がほとんどない。高速道路はあえて長い直線を作らないようにしているというが(その方針が出される前だろうか、東北自動車道は長大な直線区間がある)、中国自動車道はまさにカーブだらけという印象である。
勝央SAに到着した時点で、残すところ約200km。この時点で22時を回っていたので、80km/hで巡航していては、確実に日付を超えることになってしまう。期待したい帰宅時刻を午前1時半ごろに設定していたので、クルーズコントロールの速度を100km/hまで上げることにした。
するとどうだろう、抜かしていった高速バス(新宿まで!)や乗用車のほとんどは100km/hに満たない速度で走っているのだろうか、次々と追い抜くことになった。80km/hと100km/hの世界はまったく違うことに気がつく。
高速道路の緩やかなカーブも、かなりの緊張のレベルが上がる。普段は意識しない高速道路の幅も狭く感じるようになる。西宮周辺で雨が降ってきたため、その後は再び80km/hに戻した。
帰宅は1時20分。
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