急にずいぶん寒くなったが、いつも元気いっぱいの私(笑)は125ccのスクーターで、大阪市の鶴見区にあるカワサキのモーターサイクルの試乗に出かけてみた。現時点で2台目大型バイクとして購入対象の筆頭に挙げられるW800だけの予約を入れていたのだが、お店のスタッフが気を利かせてくれたのか、250ccのエストレヤとZ250も試乗できた。ちなみに、このスクーターで大阪市に行くのは初めてである。さて、今日は何キロ走ることやら。。。
9時30分に自宅を出て、10時50分に目的のカワサキプラザ大阪に到着した。防寒対策は万全で、通常の防寒具の上に、ベスト型の着るエアバッグ=ヒット・エアを装着した。到着早々、ベテランと思われるスタッフが気を利かせてくれて?、温かいコーヒーをいただいた。最近は、二輪車のディーラーでもドリンクサービスが一般的になってきたのであろうか。少なくとも、かつてBMWモトラッドで受けたものの、国産二輪ディーラーでは記憶にない。
さて、肝心の試乗インプレだが、250ccの2車種については以下、簡単に記載するに留める。どちらも良好な足つきせいと車体の軽さが相まって、「非常に乗り安い、ハードルの低い」マシンであり、オールドルックのエストレヤは下駄代わり的な気軽さを、最新マシンのZ250はマスの集中化による人機一体感が強いのだ。もちろん、両車種とも250ccという制約があるため、高速道路を使ったロングツーリングには不向きであろうが、街中からちょっとした郊外へのツーリングには、経済性もあってとても秀逸な相棒になってくれると思われた。
エストレヤ
Z250
そして本命のW800。これは一見してSRにも通じるオールドルックであり、乗り出す前の先入観を申し上げれば、「エンジンはちょっぴりガサツで、のんびり走るのは得意だが、きびきび走ってくれないのではないか」という懸念である。しかし試乗でそれらの疑念は吹き飛んだ。まず、あえてスロットルをできるだけ開けて走ってみた。すると、モーターのようなリニアなパワーカーブを描いて見る見るうちにタコメーターの針が上がっていくではないか!
ローギアでレッドゾーン直前まで回転数を上げてみた。モリモリとトルク感が湧き上がり、路面への密着感が増す。それでもFZ1フェザーと比べて暴力的な沸き方ではない。
試乗したモデルはW800 Special Edition
以前、BMWの水平対向2気筒エンジン(ボクサーツイン)を所有していたが、並列2気筒エンジン(パラレルツイン)搭載モデルを操るのは、実はこれが生まれてはじめてである。試乗やレンタルバイクで体験したハーレー・ダビッドソンはV型2気筒(Vツイン)であるから、2気筒の自由なレイアウトはそれぞれ鼓動感が異なるものだ。その鼓動は振動となってライダーに不快感を与えることも多い。夏まで8年間をともに過ごしたヤマハXJR1300は直列4気筒エンジンだが、常に手に振動が伝わっていた。不快ではないものの疲労の原因になっていたことは否めない。
しかし、W800の、あたかもモーターのように爽快に吹け上がるパラレルツインでは、その振動がエンジンのゴム(ラバー)マウント等、振動対策が功を奏して、うまく消されているのだ。たとえば、信号待ちなどのアイドリング状態では、心臓にまで届くような、心地よいパルスとして伝わるのである。不快どころか、実に心地よいのである。
これはもはやマジックとしか言いようがない。カワサキのオートバイはどれも、男カワサキ という言葉に代表されるように、たとえばギアをニュートラルからローに踏み込んだときの「ガシャン!」というショックが大きいなど、ガサツでデリカシーのない工業製品という性格を露呈しているのだが、W800はカサワキ技術者たちの徹底した「心地よい工業製品」を目指した努力の結果であろうか、まったく別モノなのである。そもそも冷徹な存在である機械。それが人間に快楽を与えているという、あらたなモノづくりの一端を見せてくれているのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿