2017年10月20日金曜日

先月9月上旬の九州ツーリングを報告します

先月9月の最初の土日、実は九州にカワサキZRX1200DAEGを駆ってソロ・ツーリングに行ったのだ。その報告をしていなかったので、遅まきながら報告したい。

翌月にNMAXで甑島ツーリングを敢行したのだが、なぜその前に同じ九州に行ったのか? それには深い理由がある。その理由を全てここで書くことはできないのだが、Instagramからの写真の転記と合わせてレポートしたい。

連休でもなんでもなく、カレンダー通り、土日の休みを利用して九州北部ツーリングとなった。完全に陸路で行くのは疲れるので、大阪南港からの大洋名門フェリーで北九州市の新門司港にわたる。大阪南港は9月1日金曜夜の19時50分発だ。

大阪の海は悲しい色やね♪ レイダーで行く予定だったスターミーティング九州会場。前日にレイダーにトラブル発生で、今更フェリーも宿もキャンセルするわけにいかず、DAEGで九州へ。



フェリーが21時に明石海峡大橋を通過。展望デッキは撮影する人々でにぎわう。


新門司港に到着。ライダーたちは下船準備に忙しい。車両甲板ではこのように、二輪車は巨大なトレーラーやトラックに挟まれた位置に、進行方向に対して横になる向きに置くことになる(フェリー会社により異なる)。ギアは必ず1速に入れ、サイドスタンドで立てる。東日本大震災での宮城県内のバイク店で、このように1速に入れてサイドスタンドで立てていた店では、バイクの転倒の多くが免れたという。センタースタンドでは揺れに弱い。今回の九州行きでは、このようにタンクバッグとシートバッグ、それにシート下の3つの収納スペースで乗り切った。


九州上陸後、最初に向かったのは博多の長浜ナンバーワン。午前中で客もまだ一人だけ。チャーシュー、ワンタン、高菜、煮卵などすべてが入ったスペシャルラーメン980円。麺の湯で加減はもちろん?固くして。本場だけあって、わずかに豚臭いのと、想像していたほど細麺ではないという印象。もちろん旨い! 替え玉一つ110円を加えてあっという間に完食。


初めてきた唐津の街。鏡山からの眺望はなんども写真で目にしたことのある景色。虹の松原の向こうは玄界灘だ。



九州ナンバーのXSR900と駐車場で並んだ。伝統あるSRの名称にXを付けた、ネオクラッシック・バイク。基本はMT-09だから、速くないわけがない、乗りやすくないわけがない・・・と思う。シートバックだけのシンプルな日帰り旅とみた。

佐賀県唐津市の加部島。その北端にある杉の原放牧場にて。向こうに見えるのは右が加唐島、左が松島。とてものんびりしたところだが、ここに至る道は軽自動車同士でもすれ違えないほどの狭さ。


同じく唐津市の鎮西町(ちんぜいちょう)にある波戸岬(はどみさき)にて。二輪車は100円、四輪は300円で、岬の近くまでこうして乗り入れることができる。なにやら恋人の聖地という記念碑があったが、私には関係ないことだ(笑


玄界灘沿いを西に進み、長崎に到着。実はここまでの福岡、佐賀、長崎の3県をバイクで走るのは初めてである。大分、熊本、宮崎には2015年のツーリングですでに走っているのだが、九州北部はいまだなかったのだ。平成の大合併で、九州本土側にもエリアが広がった長崎県平戸市。その市街地のある平戸島にある川内峠。挨拶でもするかのように、秋風が吹き抜けていた。


平戸島からさらに北西にある生月島(いきつきじま)へ。その西岸には、地の果てにふさわしい光景が広がっている。もうすぐ夕暮れ。生月島の西岸にある塩俵断崖に到着。


このあと、大バエ灯台を経て、ふたたび西岸の「ながさきサンセットロード」へ。この景色に会うためにカワサキをここまで走らせてきた。映画ジュラシックパークの世界を思わせる地の果て、生月島(いきつきしま)の西岸。道路でつながった日本の西の終わり。


オアフ島の東に、映画ジュラシックパークのロケ地となったキャニオンを見たことがある。生月島の西岸は、それを彷彿させる迫力のある断崖である。今回のツーリングの相棒、カワサキZRX1200DAEG。直前のトラブルでヤマハXV1900CUレイダーは来ることはかなわなかったが、旅の道具としてのDAEGの素性の良さ、頼もしさは想像を良い意味で裏切ってくれた秀逸なものだった。のんびり走るもよし、しかし随所にスポーツを織り交ぜたツーリングは、ネイキッドならではツーリング特性だが、DAEGはすべて乗り手の意思を裏切ることは無い。この動画のような、対向車さえない最果ての地でも、こいつとならどこでも行けるだろう。翌日はスターミーティングはあきらめ、有明海をフェリーで渡り、雲仙へ。こんなチャンスでもなければ、なかなか行くことができない、その先の日本である。




泊りソロツーリングのお楽しみは一人呑み。ホテル近くの焼肉店は臨時の早じまい。近くに適当な店はなく、くタクシーで鳥栖駅前(運転手さん曰く居酒屋口というほど居酒屋が多い)の「ひなっ子」へ。鳥栖だから鳥料理なのかと、いま思った次第。ここ人気店とみえ、大勢の客でにぎわっていた。広いカウンター席で生ビール×2、地元の酒×1に、フランス産鶏にルーツを持つ「みつせ鶏」の主な料理を食べて3,660円。ずいぶん安いと思ったが、あとでレシートを見たら、ビール一つ会計し忘れていたようだ。



宿泊地の鳥栖から長洲港に向かう途中、九州自動車道から一般道に降りてガソリンを補給したのは熊本県荒尾市のシェル。道の向こうに観覧車とジェットコースターが見え、本格的な遊園地のようだ。後で調べると、グリーンランドという遊園地のようだ。グリーンランドってあの、デンマーク領の世界一大きな島のことか?と思ったが、関係ないのであろう。ここは旅の通過点に過ぎないが、残りの生涯で再び通る可能性は限りなくゼロに近いと思う。それでも、この光景を目に焼き付けておくことが、ツーリングの意義でもある。


旅に出よう。急な予定変更も英知で乗り切る。雲仙に行くのに陸路しか思いつかなかった私には、まさか有明海をフェリーで渡るとは一昨日まで考えもしなかった。時刻表はいらない。長洲港に着いたらフェリーがちょうど出航してゆくところだった。

有明海を渡り多比良港まで向かう有明フェリーの乗り場、長洲港フェリーターミナル。ターミナルビルはとても秀逸なデザインだと思う。



45分の船旅は、750cc以上のバイクも含めて1,100円。私が次の船では一番手。ここでは出発前、あれこれ話かけられた初老のご夫婦がアクシストリートでのんびりしたタンデムのツーリングを楽しまれていた。景色や食べ物も楽しいが、人との出会いが最も印象深く記憶に残る。



43人の尊い人命が奪われた雲仙普賢岳の大火砕流。あれから20年以上の月日が流れた。このときの普賢岳の噴火でできた巨大な溶岩ドームが、今では「平成新山」と呼ばれていることをどれだけの日本人が知っているのだろうか。しかも長崎県の最高峰である。山肌は緑に覆われてきた。昭和新山よりも新しい、もっとも新しい日本の山。


全線で左回りの一方通行という仁田峠循環自動車道路の途中にある、仁田峠第二展望所からの眺め。山腹がすっかり緑に覆われた平成新山の姿。火砕流や土石流を発生させ、多くの人の命を奪った溶岩ドームと呼ばれていたころの面影は消えてゆく。。。



長崎自動車道・金立サービスエリア。さすがに雲仙から140kmもノンストップで走ると小腹が空いてきた。食べかけの串2本。手前がサガリ串600円、向こうが豚バラ串400円。帰りのフェリーでバイキングは止めて、これで早めの夕食終わり。


連休ではない、普通の土日をフルに使って九州ツーリングを敢行した。ひょんなことからDAEGで行くことになったが、都市からワインディング、高速道路までのあらゆるシチュエーションで楽しさ満載のDAEGの走り。荷物の積載性だけはベストとは言えないものの、シート下の積載スペースとあわせ、タンクバッグとシートバッグを搭載すれば、ソロでのかなりのロングツーリングもこなすということが理解できた。

最後に、なぜレイダーではなくDAEGで九州に行かなければならなかったのか。それは、9月3日に阿蘇・うぶやま牧場で開催されるヤマハのスターミーティングに参加するため、かなり前からフェリーや宿の予約をしていたのだが、出発の前々日、レイダーの車検が切れていたことが判明した。それでキャンセル料を取られるぐらいならと、レイダーの車検の手はずを整え、DAEGで行くことにしたのだ。カワサキ車でヤマハのイベントに行くのも気が引けるので、3日の日曜日はフェリーを使って有明海を渡り、雲仙を初訪問したのだが、結果的にはこれが素晴らしかったと思う。スターミーティングも思い出になるだろうが、なかなか長崎の半島まで出かけるチャンスはないと思った次第だ。

残りの人生はできるだけ多くの、冒険のようなオートバイの旅に出ようと思っている。その想いをなおいっそう強くしたDAEGの旅であった。

以上