2018年10月14日日曜日

ヤマハNIKENに試乗

念願のヤマハNIKEN(ナイケン)に試乗した。先日、レイダーを購入したYSP枚方南の店長から、同系列のYSP寝屋川に試乗車が入ったと連絡があった。今朝は修理が終わったハーレーをハーレーダビッドソン奈良で受け取り(整流器の故障でした)、阪奈道路から清滝道路を通り、寝屋川に向かったのだった。

NIKENは二刀流を意味する二剣nikenからネーミングされている、前2輪、後1輪の3輪オートバイである。ハンドル周りの巨大な存在感にやや圧倒されるが、一度走りだせば、まったく転ぶ気のしない、異次元の安定感があり、どんな路面であろうと前輪は破綻しない(写真の阪奈道路のような縦溝があろうとも)。45度まで傾けられるというので、意識してコーナーを傾けて走っても、精神的にも物理的にも路面に吸い付いている。パニックには程遠いのだ。走行モードは3段階に切り替えられ、出発からしばらく使っていた一番マイルドなモード3では、まるで空飛ぶ絨毯のようにしなやかに地上を駆け抜ける。これは二輪でも四輪でもない、全く異なる乗り物である。



ただしこのバイク(3輪だがバイクには違いない)、同じ三輪車であるトライクのように自立はせず、立ちごけの危険はある。信号待ちでは通常のオートバイと同様に足で支えてなければならないのだが、身長165cmで短足の私では、片足のどちらか、つま先しか接地しない。信号が見えてきたら、左右どちらの足で着地するか、あらかじめ決めておかないとダメだ。腰を落とさないと足を接地できない。この足つき性の悪さが、この素晴らしい乗り物の唯一の欠点である。



NIKENはLMW(リーニング・マルチ・ホイール)というヤマハのテクノロジーで、これまではトリシティというスクーターだけが採用していた。トリシティに試乗をしたことがあるが、二輪車とは異なる、ワンテンポ遅れて曲がり始めるような、独特の操作感があった。一方NIKENの操縦は二輪車そのものであり、ライダーであれば何ら違和感なく乗りこなすことができると思う。



NIKENの強みはワインディングだけでなく、低速時の回転の安定性にある。交差点の右左折時など、きわめて安定しており、不安要因が一切ない。(突然前の車が停止すると私の場合、足つきが悪いので驚くが)

なお、NIKENとMT-09のシート高はともに820mmとのことだが、明らかにNIKENの足つき性は悪い。現行型のMT-09もつま先だけだが左右とも接地するのである。これは大違いだ。おそらくNIKENのシート幅が広いことに起因すると思う。マネージャーいわく、リアサスペンションのダイヤルを柔らかいほうに変更すれば、多少は改善されるだろうとのことだった。車両後方の基本骨格とエンジンはMT-09をベースにしているが、エンジン内部の部品など、多くの点でNIKEN独自に改良しているという。

今回の試乗コースは大阪外環状線、阪奈道路のワインディングで生駒山を登り府県境まで行き、そこを左折して尾根を走って清滝生駒道を大阪に戻り、外環状線で戻ってくるという、23kmに及ぶ長大な特別コース。マネージャー采配で、「このぐらい走らなければNIKENの真価を知ってもらうことはできない」というもの。とてもありがたい。